USPT:タッピングによる潜在意識下人格の統合法

(Unification  of Subconscioous Personalities by Tapping Therapy)

解離性人格障害の治療のために開発された心理療法ですが、他の多くの精神的不調にも使うことのできる技法です。

例えば3歳のとき甘えようとしたら、何かで母親が忙しく逆に怒られてしまったとき、その寂しさや悲しさ、出来事、情景などを丸ごと袋に入れて封をしてしまうことで、その辛さを感じないで済ませたとします。以後そのことを思い出すことはありません。4歳のときお父さんとお母さんが喧嘩していて訳も分からず怖かったときの辛い記憶・感覚・感情の塊を袋に入れて封をしました。8歳のとき友達にからかわれてとっても腹が立ったけど感じないことにして、みんな袋に入れて封をしました。

こんな経験のある人は決して少なくないと思います。これらの方法は辛い感情に直面しなくて済むので一時的にはメリットのある対処方法です。しかし、これらは意識にのぼって来ないだけで潜在意識下にとどまり続けるので、いつまでも未解決のまま辛い記憶・感情・感覚が残ってしまいます。この対処法を知らない間に繰り返し使っていると心の中は封をした袋でいっぱいになり、とてもゆとりのない状態になってしまいます。その結果、普通なら耐えられるレベルのストレスに対処できなくなってしまうのです。

解離症状として表に出ている人にはもちろん、普通に生活しながら内なる解離を抱える人、インナーチャイルドが苦しみ続けている可能性のある人、思い出すたびに過去の感情に苦しみ傷ついてしまう人にも有効です。

タッピングにより潜在意識を浮かび上がらせる、封をした袋の中身を思い出しても詳しく話す必要がない、などの特徴を持っています。

 

 

 

  小栗康平 『  症例 X  封印された記憶  』  株式会社 G.B.  2014年       

 

          USPT研究会公式HPをご参照ください。